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歯根端切除術(根管治療で治らない根尖病変の治療法)
こんにちは!、三重県津市 医療法人大杉歯科医院 院長の大杉和輝です!
今回は「歯根端切除術」について書いていこうと思います。
前回の「精密根管治療について(マイクロスコープ・ラバーダム・MTAのセメント)」でも少し書かせていただきましたが、質問が何回かありましたので、今回はそのテーマでやっていきたいと思います。
それでは始めていきます。
ちなみにですが、「歯周病とは?(原因、症状、治し方、治療法など)」についてもこちらで詳しく書かせていただいてるので、ご興味ある方は是非ご参照ください。
また、インプラントに関してもこちら「インプラントとは?(寿命?、メリットデメリット?、MRI?、費用?など)」で詳しく書いてありますので、是非お読みください。
1.歯根端切除術とは?
2.歯根端切除術が必要なケース(根管治療を行っても治癒しないケース)
3.歯根端切除術の手術の成功率を高めるポイントはある?
4.術後の経過は?
5.歯根端切除術 費用
6.奥歯でも出来るか?
7.逆根管充填は必要か?
8.歯の亀裂(破折)の診断はどうやってするのか?
9.歯性上顎洞炎で抜歯と言われたが、残せるか?
10.手術が怖い、何か方法はあるか?
11.歯根端切除術と意図的再植の選択は?
12.抜歯してインプラントと言われたが残せるか?
歯根端切除術‥文字通り「根の先端を切る処置」のことです。根尖部の悪い部分を外科的に切除することで、治癒に導くための処置です。
根管治療(非外科的治療)を行っても症状が改善しない(治癒しない)場合に必要となってきます。
こういった場合は根の外に感染が及んでいることが多く、感染源を除去する必要があります。それらを除去できないと症状が落ち着かず、生活に支障がでることもありますので、歯を守る(活かす)最後の治療ともいえます。
また、金属の長い土台が入っており除去することが困難な場合などでも、行うことがあります。
(基本は、根管治療を先に行い、治癒に導くことができるか確認し、歯根端切除術が必要かどうか判断します)
これを行わずに抜歯となった場合は、インプラント治療やブリッジなどの失った歯を補う処置がさらに必要となってきますので、歯は残せるに越したことはないですよね。
主に2つあります
・根尖孔外に感染が波及している(根尖孔外バイオフィルム)
・歯根嚢胞を形成している
どちらも根の外に原因がありますので、外科的に物理的に、根の外を掃除する必要があります。
根の尖端3mmに感染が残っていることが多いので、先端部を切除することが多いです(感染の範囲に応じて、切らなかったり、より多めに切ったりすることがあります)
また、外部に異物がある場合はそれが感染源となっていることもあるので、それらは積極的に除去します。
歯根嚢胞を作っている場合は、それらを完全に除去しないと再発するとも言われてますので、物理的に徹底的に除去が必要となります。
歯根端切除術の成功率を高めるポイント
・マイクロスコープを用いる‥根の尖端部の感染源を細かに観察できます
・根管治療を先に行い、根管内の感染を徹底的に除去する
・根管治療時に、MTAセメントを充填する‥根管治療時にMTAをセメントを充填しておけば、逆根管充填が必要なくなるので術式が楽になります
・術前のCTにより感染源を特定し、術中にそれらを徹底的に除去する
・術中に感染源を染め出し、それらを除去する‥イスムス、フィン、クラック(亀裂)など
・精密に切開・縫合を行うことで、術後の治癒を早める‥術後疼痛(術後の痛み)の軽減、腫脹(腫れ)の軽減に繋がります
4.術後の経過は?
術中は十分に麻酔させていただきますので、術中の痛みは無いです。術後の痛みは痛み止めにてコントロールできるケースがほとんどです。
また、術後は手術の侵襲に応じて、抗生剤を投与させていただきます。
2週間すれば完全抜糸が終わり、通常の生活に戻っていただくことが可能です。
当院では自費治療にて、1歯10〜20万(税抜)で行わせていただいております。
*歯の種類、術式の難易度にて費用が上下します。
奥歯でも歯根端切除術を行うことは可能です。
一般的に第一大臼歯(奥歯から2番目)までしか出来ないと言われてますが、条件が良ければ第二大臼歯(奥歯から1番目)でも行うことができます。
骨の厚み、唇の可動性などを考慮し、意図的再植を選択する場合もあります。
左上7に対し歯根端切除術を行った症例 *リンクあり
ガッタパーチャポイントで根管充填してある場合・感染が残っている場合は必要となります。
根の先端部の切除後に、特殊な器具を用いて逆根管形成を行い、MTAをセメントを充填します。
ただ、当院にて根管治療を行った場合は、根管治療時にMTAセメントを充填しますので、歯根端切除術時には尖端部の切除のみで済むことが多いです。
*根の切除後に、感染源の染め出しを行い、感染の取り残しがあれば逆根管充填を行うこともあります。
根の切除後、感染源を染め出します。亀裂があればそこが染め出されるので、亀裂があることがわかります。
亀裂の範囲が狭ければそれを削り取り、MTAセメントを充填することで歯を残すチャンスがあります。
ただ、残存歯質量が少なくなると歯根破折のリスクも高まりますので、「お口全体からみたときのその歯の重要性」「その歯を残す価値があるのか」「その歯をどれだけ残したいのか」なども考慮する必要があります。
*頑張って残したのに1年で割れてしまったということも少なくないです。そういったことが予想される場合、インプラント治療を提案させていただくこともあります。
歯が原因であれば、感染を除去することで治癒に導くことが可能なので、残せるチャンスがあります。
根管治療のみで治癒に導けるケースも体験しております。
また根管治療のみで治癒しなかった場合も、歯根端切除術を行うことで対応できると考えております。
上顎洞内に根の尖端が出ていることもありますが、そういった場合でも歯根端切除術は可能です。(術前にCTで可能か診断します)
静脈内鎮静法を行うことで、寝た状態で手術を受けることが出来ます。
当院でやる場合は、専門の麻酔科医が全身管理しながら鎮静を行いますので、安心して手術を受けていただくことができます。
基本的には歯根端切除術を選択します。
*意図的再植は歯を一度抜いて、外部で感染源を除去した後、再度戻すという治療なのですが、抜歯する際に、歯が割れてしまうリスクがあります。
*骨の厚み、歯の種類、根尖病変の位置などにより意図的再植を選択する場合もあります。
意図的再植により歯を温存したケース *リンクあり
残せるチャンスがあります。一度、当院にてCT撮影を行い、診査・診断させていただきたいです。
根尖病変が治せるか、歯根破折のリスク、インプラントの可能性などご説明し、ご納得の上治療を進めさせていただきます。
また、インプラントを希望される場合も、抜歯即時インプラントという可能性もありますので、抜歯する前に来院していただき、それが可能か診査した上で抜歯を行うことをお勧めいたします。
歯根破折した歯に対し抜歯即時埋入を行ったケース *リンクあり
今回は「歯根端切除術」について書いていこうと思います。
前回の「精密根管治療について(マイクロスコープ・ラバーダム・MTAのセメント)」でも少し書かせていただきましたが、質問が何回かありましたので、今回はそのテーマでやっていきたいと思います。
それでは始めていきます。
ちなみにですが、「歯周病とは?(原因、症状、治し方、治療法など)」についてもこちらで詳しく書かせていただいてるので、ご興味ある方は是非ご参照ください。
また、インプラントに関してもこちら「インプラントとは?(寿命?、メリットデメリット?、MRI?、費用?など)」で詳しく書いてありますので、是非お読みください。
目次
1.歯根端切除術とは?
2.歯根端切除術が必要なケース(根管治療を行っても治癒しないケース)
3.歯根端切除術の手術の成功率を高めるポイントはある?
4.術後の経過は?
5.歯根端切除術 費用
6.奥歯でも出来るか?
7.逆根管充填は必要か?
8.歯の亀裂(破折)の診断はどうやってするのか?
9.歯性上顎洞炎で抜歯と言われたが、残せるか?
10.手術が怖い、何か方法はあるか?
11.歯根端切除術と意図的再植の選択は?
12.抜歯してインプラントと言われたが残せるか?
1.歯根端切除術とは?
歯根端切除術‥文字通り「根の先端を切る処置」のことです。根尖部の悪い部分を外科的に切除することで、治癒に導くための処置です。
根管治療(非外科的治療)を行っても症状が改善しない(治癒しない)場合に必要となってきます。
こういった場合は根の外に感染が及んでいることが多く、感染源を除去する必要があります。それらを除去できないと症状が落ち着かず、生活に支障がでることもありますので、歯を守る(活かす)最後の治療ともいえます。
また、金属の長い土台が入っており除去することが困難な場合などでも、行うことがあります。
(基本は、根管治療を先に行い、治癒に導くことができるか確認し、歯根端切除術が必要かどうか判断します)
これを行わずに抜歯となった場合は、インプラント治療やブリッジなどの失った歯を補う処置がさらに必要となってきますので、歯は残せるに越したことはないですよね。
2.根管治療を行っても治癒しないケース
主に2つあります
・根尖孔外に感染が波及している(根尖孔外バイオフィルム)
・歯根嚢胞を形成している
どちらも根の外に原因がありますので、外科的に物理的に、根の外を掃除する必要があります。
根の尖端3mmに感染が残っていることが多いので、先端部を切除することが多いです(感染の範囲に応じて、切らなかったり、より多めに切ったりすることがあります)
また、外部に異物がある場合はそれが感染源となっていることもあるので、それらは積極的に除去します。
歯根嚢胞を作っている場合は、それらを完全に除去しないと再発するとも言われてますので、物理的に徹底的に除去が必要となります。
3.歯根端切除術の手術の成功率を高めるポイントはある?
歯根端切除術の成功率を高めるポイント
・マイクロスコープを用いる‥根の尖端部の感染源を細かに観察できます
・根管治療を先に行い、根管内の感染を徹底的に除去する
・根管治療時に、MTAセメントを充填する‥根管治療時にMTAをセメントを充填しておけば、逆根管充填が必要なくなるので術式が楽になります
・術前のCTにより感染源を特定し、術中にそれらを徹底的に除去する
・術中に感染源を染め出し、それらを除去する‥イスムス、フィン、クラック(亀裂)など
・精密に切開・縫合を行うことで、術後の治癒を早める‥術後疼痛(術後の痛み)の軽減、腫脹(腫れ)の軽減に繋がります
4.術後の経過は?
術中は十分に麻酔させていただきますので、術中の痛みは無いです。術後の痛みは痛み止めにてコントロールできるケースがほとんどです。
また、術後は手術の侵襲に応じて、抗生剤を投与させていただきます。
2週間すれば完全抜糸が終わり、通常の生活に戻っていただくことが可能です。
5.歯根端切除術 費用
当院では自費治療にて、1歯10〜20万(税抜)で行わせていただいております。
*歯の種類、術式の難易度にて費用が上下します。
6.奥歯でも出来るか?
奥歯でも歯根端切除術を行うことは可能です。
一般的に第一大臼歯(奥歯から2番目)までしか出来ないと言われてますが、条件が良ければ第二大臼歯(奥歯から1番目)でも行うことができます。
骨の厚み、唇の可動性などを考慮し、意図的再植を選択する場合もあります。
左上7に対し歯根端切除術を行った症例 *リンクあり
7.逆根管充填は必要か?
ガッタパーチャポイントで根管充填してある場合・感染が残っている場合は必要となります。
根の先端部の切除後に、特殊な器具を用いて逆根管形成を行い、MTAをセメントを充填します。
ただ、当院にて根管治療を行った場合は、根管治療時にMTAセメントを充填しますので、歯根端切除術時には尖端部の切除のみで済むことが多いです。
*根の切除後に、感染源の染め出しを行い、感染の取り残しがあれば逆根管充填を行うこともあります。
8.歯の亀裂(破折)の診断はどうやってするのか?
根の切除後、感染源を染め出します。亀裂があればそこが染め出されるので、亀裂があることがわかります。
亀裂の範囲が狭ければそれを削り取り、MTAセメントを充填することで歯を残すチャンスがあります。
ただ、残存歯質量が少なくなると歯根破折のリスクも高まりますので、「お口全体からみたときのその歯の重要性」「その歯を残す価値があるのか」「その歯をどれだけ残したいのか」なども考慮する必要があります。
*頑張って残したのに1年で割れてしまったということも少なくないです。そういったことが予想される場合、インプラント治療を提案させていただくこともあります。
9.歯性上顎洞炎で抜歯と言われたが、残せるか?
歯が原因であれば、感染を除去することで治癒に導くことが可能なので、残せるチャンスがあります。
根管治療のみで治癒に導けるケースも体験しております。
また根管治療のみで治癒しなかった場合も、歯根端切除術を行うことで対応できると考えております。
上顎洞内に根の尖端が出ていることもありますが、そういった場合でも歯根端切除術は可能です。(術前にCTで可能か診断します)
10.手術が怖い、何か方法はあるか?
静脈内鎮静法を行うことで、寝た状態で手術を受けることが出来ます。
当院でやる場合は、専門の麻酔科医が全身管理しながら鎮静を行いますので、安心して手術を受けていただくことができます。
11.歯根端切除術と意図的再植の選択は?
基本的には歯根端切除術を選択します。
*意図的再植は歯を一度抜いて、外部で感染源を除去した後、再度戻すという治療なのですが、抜歯する際に、歯が割れてしまうリスクがあります。
*骨の厚み、歯の種類、根尖病変の位置などにより意図的再植を選択する場合もあります。
意図的再植により歯を温存したケース *リンクあり
12.抜歯してインプラントと言われたが残せるか?
残せるチャンスがあります。一度、当院にてCT撮影を行い、診査・診断させていただきたいです。
根尖病変が治せるか、歯根破折のリスク、インプラントの可能性などご説明し、ご納得の上治療を進めさせていただきます。
また、インプラントを希望される場合も、抜歯即時インプラントという可能性もありますので、抜歯する前に来院していただき、それが可能か診査した上で抜歯を行うことをお勧めいたします。
歯根破折した歯に対し抜歯即時埋入を行ったケース *リンクあり
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