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歯根端切除術(根管治療で治らない根尖病変の治療法)*アップデート2.0
こんにちは!、三重県津市 医療法人大杉歯科医院 院長の大杉和輝です!




以前、歯根端切除術に関する記事を書かせていただいたのですが、より新しい内容を加えて記事を更新させていただきます!



歯を残すか・抜くかの選択はとても難しいです。

安易に抜歯してインプラントに置き換えるのは簡単ですが、歯は一度抜いてしまえば一生戻ることはありません。

手を尽くせば残せるチャンスがあるかもしれませんので、抜歯する前に是非お気軽にご相談ください。




ちなみにですが、「歯周病とは?(原因、症状、治し方、治療法など)」についてもこちらで詳しく書かせていただいてるので、ご興味ある方は是非ご参照ください。


また、インプラントに関してもこちら「インプラントとは?(寿命?、メリットデメリット?、MRI?、費用?など)」で詳しく書いてありますので、是非お読みください。


目次


・歯根端切除術とは?
・歯根端切除術が必要なケース(根管治療を行っても治癒しないケース)、予後不良の歯が出てしまう原因
・歯根端切除術の成功率は?
・歯根端切除術の手術の成功率を高めるポイントはある?

・術後の経過は?
・歯根端切除術 費用
・歯根端切除術 オペ時間
・奥歯でも出来るか?

・逆根管充填は必要か?
・根尖病変が大きくても治るチャンスはあるのか?
・歯の亀裂(破折)の診断はどうやってするのか?

・歯性上顎洞炎で抜歯と言われたが、残せるか?
・手術が怖い、何か方法はあるか?
・歯根端切除術と意図的再植の選択は?
・抜歯してインプラントと言われたが残せるか?
・歯を温存するか、抜歯するかの最大の基準は?



・歯根端切除術とは?



歯根端切除術‥文字通り「根の先端を切る処置」のことです。根尖部の悪い部分を外科的に切除することで、治癒に導くための処置です。

根管治療(非外科的治療)を行っても症状が改善しない(治癒しない)場合に必要となってきます。

こういった場合は根の外に感染が及んでいることが多く、感染源を除去する必要があります。それらを除去できないと症状が落ち着かず、生活に支障がでることもありますので、歯を守る(活かす)最後の治療ともいえます。



1.先端に病変を有する(歯根嚢胞が原因で治癒してないと推測される)


2.根尖部を歯根端切除術にて物理的に綺麗にする


3.根尖よりMTAセメントの逆根管充填を行う


また、金属の長い土台が入っており除去することが困難な場合などでも、行うことがあります。
(基本は、根管治療を先に行い、治癒に導くことができるか確認し、歯根端切除術が必要かどうか判断します)

これを行わずに抜歯となった場合は、インプラント治療やブリッジなどの失った歯を補う処置がさらに必要となってきますので、歯は残せるに越したことはないですよね。









・根管治療を行っても治癒しないケース、予後不良の歯が出てしまう原因


主に2つあります

・根尖孔外に感染が波及している(根尖孔外バイオフィルム)
・歯根嚢胞を形成している



どちらも根の外に原因がありますので、外科的に物理的に、根の外を掃除する必要があります。

外部に異物がある場合はそれが感染源となっていることもあるので、それらは積極的に除去します。

歯根嚢胞を作っている場合は、膿の袋を完全に除去しないと再発するとも言われてますので、物理的に徹底的に除去が必要となります。


また根の中でも、尖端3mmには側枝と呼ばれる(毛細血管のような)細かい根管が存在し、その内部に感染が残っていることが多く
、感染源を根本的に除去するため先端部3mmを切除します。

*感染の範囲に応じて、切除しなかったり、より広範囲に切除することもあります。



感染源を完全に除去しきれば治癒に導けるので、ケースにより除去する範囲が変わるということです。


・歯根端切除術の成功率は?




従来の歯根端切除術(マイクロスコープを用いない)‥約60%
現在の歯根端切除術(マイクロスコープを用いる)‥約90% 

成功率は文献により様々ですが、これくらいの数値に落ち着くと考えて良いでしょう。

マイクロスコープを用いることで感染源を徹底的に除去することが可能となり、それが成功率の向上に繋がっていると言えます。



・歯根端切除術の手術の成功率を高めるポイントはある?







歯根端切除術の成功率を高めるポイント

マイクロスコープを用いる‥根の尖端部の感染源を細かに観察できます
・根管治療を先に行い、根管内の感染を徹底的に除去する
・根管治療時に、MTAセメントを充填する‥根管治療時にMTAをセメントを充填しておけば、逆根管充填が必要なくなるので術式が楽になります
・術前のCTにより感染源を特定し、術中にそれらを徹底的に除去する
術中に感染源を染め出し、それらを除去する‥イスムス、フィン、クラック(亀裂)など
・精密に切開・縫合を行うことで、術後の治癒を早める‥術後疼痛(術後の痛み)の軽減、腫脹(腫れ)の軽減に繋がります




・術後の経過は?






術中は十分に麻酔させていただきますので、術中の痛みは無いです。術後の痛みは痛み止めにてコントロールできるケースがほとんどです。

また、術後は手術の侵襲に応じて、抗生剤を投与させていただきます。当院では3〜4日分をださせていただくことが多いです。

2週間すれば完全抜糸が終わり、通常の生活に戻っていただくことが可能です。




・歯根端切除術 費用



当院では自費治療にて、1歯10〜20万(税抜)で行わせていただいております。

*歯の種類、術式の難易度により費用が上下します。
*複数本を同時に行う場合は費用を抑えられます。

*当院にて精密根管治療を行っている場合は費用を抑えられます。


・歯根端切除術 オペ時間



前歯‥約1時間
奥歯‥1〜2時間

*骨の厚み・根の位置・病変の大きさ・唇の可動性などにより処置時間が変わります。



・奥歯でも出来るか?




奥歯でも歯根端切除術を行うことは可能です。

一般的に第一大臼歯(奥歯から2番目)までしか出来ないと言われてますが、条件が良ければ第二大臼歯(奥歯から1番目)でも行うことができます


第二大臼歯の歯根端切除術が出来る条件
・頬側の骨が薄い
・根尖が切除しやすい位置にある
・唇の可動性が高い


上記の条件が整ってない場合は、歯根端切除術は不可能ですので、意図的再植を選択します。



左上7に対し歯根端切除術を行った症例 *リンクあり




・逆根管充填は必要か?



ガッタパーチャポイントで根管充填してある場合・感染が残っている場合は必要となります。

根の先端部の切除後に、特殊な器具を用いて逆根管形成を行い、MTAをセメントを充填します。

ただ、当院にて根管治療を行った場合は、根管治療時にMTAセメントを充填しますので、歯根端切除術時には尖端部の切除のみで済むことが多いです。
*根の切除後に、感染源の染め出しを行い、感染の取り残しがあれば逆根管充填を行うこともあります。



・根尖病変が大きくても治るチャンスはあるのか?




根尖病変が大きくても治せるチャンスはあります。精密根管治療のみで治る場合もありますし、歯根端切除術が必要な場合もあります。



上顎洞に及ぶ大きい根尖病変‥精密根管治療のみで治癒に導けたケース






下顎管に及ぶ大きい根尖病変‥歯根端切除術で治癒に導けたケース⇩⇩⇩



1.オペ前‥近心根の先端部に大きい病変を認める



2.オペ後9ヶ月‥病変はほぼ骨で満たされ、治癒に向かっている



・歯の亀裂(破折)の診断はどうやってするのか?



根の切除後、感染源を染め出します。亀裂があればそこが染め出されるので、亀裂があることがわかります。

亀裂の範囲が狭ければそれを削り取り、MTAセメントを充填することで歯を残すチャンスがあります。


ただ、残存歯質量が少なくなると歯根破折のリスクも高まりますので、「お口全体からみたときのその歯の重要性」「その歯を残す価値があるのか」「その歯をどれだけ残したいのか」なども考慮する必要があります。

*頑張って残したのに1年で割れてしまったということも少なくないです。そういったことが予想される場合、インプラント治療を提案させていただくこともあります。




・歯性上顎洞炎で抜歯と言われたが、残せるか?






歯が原因であれば、感染を除去することで治癒に導くことが可能なので、残せるチャンスがあります。

根管治療のみで治癒に導けるケースも体験しております。

また根管治療のみで治癒しなかった場合も、歯根端切除術を行うことで対応できると考えております。

上顎洞内に根の尖端が出ていることもありますが、そういった場合でも歯根端切除術は可能です。(術前にCTで可能か診断します)



・手術が怖い、何か方法はあるか?



静脈内鎮静法を行うことで、寝た状態で手術を受けることが出来ます。

当院でやる場合は、専門の麻酔科医が全身管理しながら鎮静を行いますので、安心して手術を受けていただくことができます。




・歯根端切除術と意図的再植の選択は?



基本的には歯根端切除術を選択します。

*意図的再植は歯を一度抜いて、外部で感染源を除去した後、再度戻すという治療なのですが、抜歯する際に、歯が割れてしまうリスクがあります。

*骨の厚み、歯の種類、根尖病変の位置などにより意図的再植を選択する場合もあります。


意図的再植により歯を温存したケース *リンクあり




・抜歯してインプラントと言われたが残せるか?



残せるチャンスがあります。一度、当院にてCT撮影を行い、診査・診断させていただきたいです。

根尖病変が治せるか、歯根破折のリスク、インプラントの可能性などご説明し、ご納得の上治療を進めさせていただきます。


また、インプラントを希望される場合も、抜歯即時インプラントという可能性もありますので、抜歯する前に来院していただき、それが可能か診査した上で抜歯を行うことをお勧めいたします。


歯根破折した歯に対し抜歯即時埋入を行ったケース *リンクあり
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