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歯を失った後の再建、インプラント・入れ歯・移植は何が違う?

 

「奥歯を何本も失ってしまって、これからどうすればいいのか分からない」。診療室でそう打ち明けてくださる方は、決して少なくありません。インプラント、入れ歯、そして歯の移植。名前は聞いたことがあっても、何がどう違い、自分にはどれが向いているのか。そこで迷って何年も決断できずにいる方もいらっしゃいます。

この記事では、歯を失った後の再建方法を、仕組み・適応条件・注意点という視点から並べて整理していきます。どれかを勧めるためではなく、ご自身の状況と照らし合わせて考えるための材料としてお読みいただければ幸いです。

 

歯を失ったまま放置すると何が起こるのか

まず前提として知っておいていただきたいのは、歯を失った状態を放置すると、口の中は少しずつ形を変えていくということです。

  • 失った歯の隣の歯が、空いたスペースへ傾いてくる
  • 噛み合う相手を失った歯が、少しずつ伸び出してくる
  • 残った歯に噛む力が集中し、その歯の負担が増える
  • 歯を支えていた骨(顎の骨)が徐々にやせていく

特に多数の歯を失っている場合、この変化は連鎖的に進みます。「1本くらい」と思っていた欠損が、数年後には残っている歯の寿命にも影響してくる。だからこそ、再建の方法を考えることは、失った部分を補うだけでなく、今残っている歯を守るための計画でもあるのです。

 

3つの再建方法を並べて比べてみる

 

インプラント:顎の骨に支えを作る方法

インプラントは、顎の骨の中にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する方法です。周りの歯を削る必要がなく、自分の歯に近い感覚で噛める点が大きな特徴です。多数の歯を失った場合でも、必要な本数のインプラントを支えとして、広い範囲を再建できる可能性があります。

一方で、外科処置を伴うため、全身の健康状態や骨の量・質が条件になります。骨が不足している場合は骨を増やす処置が必要になることもあり、治療期間は数か月以上に及びます。また、治療後も歯周病に似た「インプラント周囲炎」を防ぐため、日々の清掃と定期的な管理が欠かせません。

 

入れ歯:着脱できる装置で補う方法

入れ歯は、取り外しのできる装置で失った歯と歯ぐきの形を補う方法です。外科処置を必要としないため、全身疾患をお持ちの方や、手術を避けたい方にも選択肢となります。多数の歯を失っている場合でも比較的短い期間で噛める状態を作りやすく、修理や追加もしやすいという利点があります。

ただし、支えを歯ぐきや残った歯に求めるため、噛む力は天然の歯より弱くなりやすく、慣れるまでに時間がかかる方もいます。金具をかける歯には負担がかかるため、その歯を守る設計が重要になります。装置の形を工夫することで違和感や見た目に配慮したものもあり、選択肢は一つではありません。

 

自家歯牙移植:ご自身の歯を活かす方法

自家歯牙移植は、ご自身の口の中にある使われていない歯(親知らずなど)を、歯を失った部分へ移植する方法です。ご自身の歯であるため、歯根膜という組織が機能すれば、噛んだ感覚が自然に近くなることが期待されます。

ただし、適応条件は限られます。移植に使える健康な歯が残っていること、その歯の形や大きさが移植先に合うこと、受け入れる側の骨が確保できることなど、いくつもの条件が重なって初めて選択肢になります。移植後は根管治療(歯の神経の治療)が必要になる場合も多く、経過を丁寧に追っていく必要があります。

 

どう選ぶか——判断の基準になるもの

治療法を決めるうえで、私たちが特に重視しているのは次の点です。

  1. 残っている歯の状態と、歯周病の進行度
  2. 顎の骨の量と質
  3. 全身の健康状態と服薬の状況
  4. 治療にかけられる期間とご負担
  5. これからの生活で、何を優先したいか

特に多数の歯を失っている場合、まず土台となる歯周病の管理を安定させないと、どの方法を選んでも長持ちしにくくなります。順番を間違えないことが、実は結果を大きく左右します。

また、これらの方法は「どれか一つ」ではありません。前歯はインプラント、奥歯は入れ歯というように、部位ごとに組み合わせる計画も現実的です。大切なのは、口全体を一つのまとまりとして見て、どこにどれだけの負担がかかるかを設計することだと考えています。

 

まとめ

インプラントは骨に支えを作る方法、入れ歯は着脱式で広い範囲を補う方法、自家歯牙移植はご自身の歯を活かす方法。それぞれに得意なことと条件があり、優劣で並べられるものではありません。判断を分けるのは、残っている歯の状態、骨の状態、全身の状況、そしてこれからどう過ごしたいかというご希望です。

歯を多く失った状態からの再建は、決して簡単な道のりではありませんが、道筋を立てて進めば改善が見込める場合は少なくありません。「もう手遅れかもしれない」と感じている方こそ、まずはお口の中の現状を正確に把握するところから始めていただきたいと思います。

大杉歯科医院では、レントゲンや歯周組織の検査をもとに、それぞれの方法の見通しと注意点をお伝えしたうえで、一緒に計画を考えていきます。どの方法がご自身に合うのか迷われている方は、どうぞ気軽にご相談ください。

 

歯周病インプラント治療専門
三重県津市の歯医者・歯科
医療法人大杉歯科医院
住所:三重県津市河芸町東千里175-2

TEL:059-245-5358

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