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「奥歯がグラついて噛むのが怖い」「鏡を見たら歯が浮いて見える気がする」——そんな不安を抱えていませんか。
重度歯周病で歯がグラグラしてくると、多くの方が『もう抜くしかないのでは』と覚悟されます。
しかし、状態によっては歯を残せる可能性が残されているケースもあります。本記事では、抜歯を検討する前に知っておきたい保存治療の選択肢について、歯科医師の立場から丁寧に解説します。
歯がグラつく仕組みと、重度歯周病で起きていること
歯は『歯槽骨(しそうこつ)』という顎の骨に支えられ、その間を『歯根膜』というクッションがつないでいます。歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症が深部に及び、この歯槽骨が少しずつ溶けていきます。
骨の支えが減ると、歯はわずかな力でも動くようになり、やがて咬むたびに揺れる、食事中に痛む、歯が伸びてきたように感じる、といった症状が現れます。これが重度歯周病における『歯のグラつき』の正体です。
つまりグラつきは、歯そのものの問題というより、歯を支える土台が失われているサインと捉える必要があります。
『抜歯』と判断される前に確認したいこと
歯科医院でグラつきを訴えると、動揺度の検査やレントゲン、歯周ポケットの測定などが行われます。ここで重要なのは、グラついている=即抜歯、ではないという点です。
抜歯か保存かの判断には、次のような要素が総合的に検討されます。
- 残っている骨の量と形態
- 歯根の長さ・本数・割れの有無
- 歯周ポケットの深さと出血の状況
- 噛み合わせの力の偏り
- 全身の健康状態や糖尿病などの背景
同じ『グラグラの歯』でも、骨が部分的に残っているのか、根が割れているのかで、選べる治療はまったく異なります。
歯を残すための保存治療の選択肢
1. 歯周基本治療と再評価
まず行うのは、歯周ポケット内のプラーク・歯石を除去する基本治療です。炎症が落ち着くと歯ぐきが引き締まり、軽度〜中等度のグラつきは改善することがあります。
2. 歯周外科治療・歯周組織再生療法
骨の欠損が限局している場合、エムドゲインやリグロスなどの薬剤、人工骨を併用した再生療法によって、失われた組織の回復が期待できるケースがあります。すべての症例に適応できるわけではありませんが、選択肢として検討する価値があります。
3. 咬合調整・暫間固定
揺れている歯を隣の歯と一時的に連結し、噛む力を分散させる方法です。治療期間中の症状緩和や、治癒環境を整える目的で用いられます。
4. 自家歯牙移植という選択
やむを得ず抜歯となった場合でも、親知らずなどご自身の歯を移植することで、再びご自身の歯で噛める可能性が残されていることもあります。
まとめ:諦める前に、もう一度診てもらう価値があります
重度歯周病による歯のグラつきは確かに深刻な状態ですが、骨の状態や歯の条件によっては、保存治療によって残せる可能性が残されているケースもあります。一方で、無理に残すことがかえって周囲の歯を傷める場合もあり、判断には精密な診査が欠かせません。
「他院で抜歯と言われたが、できれば自分の歯を残したい」「歯がボロボロで、どこから手を付ければよいか分からない」——そうした重度のお悩みにも、当院では一本ずつ丁寧に検討し、納得いただける治療計画をご提案しています。気になる症状がある方は、まずはお気軽にご相談ください。
歯周病インプラント治療専門
三重県津市の歯医者・歯科
《医療法人大杉歯科医院》
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