Column コラム

2025/10/29 column

“もう一度噛める未来”を諦めないで|三重県津市・大杉歯科医院が解説するインプラント再検討の3つの視点

1. 「できない」と言われたその瞬間に──それは本当に“終わり”ですか?

「骨が足りない」「年齢的に難しい」と言われた方へ

インプラント治療を希望しても、「骨が足りない」年齢的に難しい」と診断され、治療を諦めてしまう方は少なくありません。
しかし、こうした言葉は“完全に不可能”という意味ではなく、現時点での条件やリスクを考慮した医師の慎重な判断である場合が多いのです。
実際には、骨や体調の状態は時間とともに変化し、治療の選択肢も進歩とともに広がっています。

近年ではCTによる立体的な画像診断が一般的になり、骨の高さ・厚み・神経の走行まで正確に把握できるようになりました。
これにより、以前は難しいとされた症例でも、改めて評価し直すことで可能性が見いだされることがあります。
「噛めないまま一生過ごすしかない」と思い込む前に、まずは専門医院で再度相談してみることが重要です。
診断結果を丁寧に説明してもらうことで、治療の選択肢を正しく理解し、“もう一度しっかり噛める”未来が見えてくるかもしれません。


“できない”は「今は条件が整っていないだけ」かもしれない

「できない」と言われた診断の多くは、永久的な結論ではありません。
骨の再生や全身疾患のコントロール、口腔内の炎症管理によって、治療条件が整うことは十分にあります。
たとえば、骨量不足の場合でも、骨造成(GBR)や骨移植、再生療法などを行い、骨を補強してからインプラントを計画することができます。

また、糖尿病や高血圧といった持病がある方も、主治医の協力のもとで数値を安定させることで、手術の安全性を高めることが可能です。
重要なのは、最初の診断で“なぜ難しいとされたのか”を明確に理解し、その課題を改善する方法を歯科医師と共に検討することです。
再評価のプロセスを経ることで、自分の体や口の中の状態に合った現実的な治療プランが見えてきます。


再び“噛める未来”を取り戻すための第一歩

「もうインプラントは無理だ」と感じていた方でも、再診断によって新たな可能性が見えてくることがあります。
CTやシミュレーション技術により、骨や神経、血管の位置関係を立体的に把握できるようになり、より安全性を考慮した精密な治療計画が立てられるようになりました。

さらに、骨を作る治療を組み合わせることで、以前は避けられていた部位にもインプラントが検討できるケースがあります。
大切なのは、初回の診断結果を“絶対的な結論”と捉えず、複数の専門家の意見を聞く姿勢を持つことです。
セカンドオピニオンを受けることで、これまで知らなかった治療の選択肢に出会えることもあります。
再評価は、失われた咀嚼機能を取り戻すための出発点です。

焦らず、自分の体の状態を理解し、信頼できる歯科医師に相談することが、“再び噛める未来”への確かな一歩となります。

POINT: 初回の「できない」は、現状の条件を踏まえた慎重な判断であることが多く、CTによる再評価や骨造成・全身管理によって選択肢が広が

2.なぜ「インプラントが難しい」と言われるのか?──診断の裏にある3つの理由




医院ごとに異なる「診断基準」「設備」「経験」

インプラント治療の可否は、医院によって「診断の基準」や「使用する設備」、そして「術者の経験」によって大きく異なります。たとえば、平面の2Dレントゲンのみで診断を行う場合、骨の高さや厚み、神経の走行、上顎洞の位置関係などを立体的に把握することは難しく、「骨が足りない」と判断されることがあります。

一方で、歯科用CTを用いて三次元的に分析できる環境では、骨の厚みや密度をより正確に評価でき、実際には安全な範囲でインプラントを埋入できるケースも少なくありません。さらに、経験豊富な歯科医師であれば、骨造成(GBR)や再生療法、サイナスリフトなどの補助的治療を組み合わせることで、難症例にも柔軟に対応できる判断力があります。

このように「できない」と言われた背景には、医院の診断環境・設備水準・術者の経験差が関係していることが多く、別の医院で再評価を受けることが治療可能性を再確認する重要な手段になるのです。


骨量不足・全身疾患・歯周病や喫煙などの影響

「骨が薄い」「持病がある」「喫煙している」といった理由でインプラントを断られる方は少なくありません。インプラントは顎の骨にしっかりと固定されることで咀嚼機能を回復させる治療法ですが、骨量や密度が不足していると、術後に動揺や脱落のリスクが高まります。

また、糖尿病や高血圧などの全身疾患は血流や免疫機能に影響し、傷の治りが遅くなる場合があります。さらに喫煙は血流を悪化させ、骨や歯ぐきの再生を妨げることが知られています。

ただし、これらの条件があるからといって治療を完全に諦める必要はありません。全身疾患が適切にコントロールされ、喫煙習慣を見直すことで、インプラントが再び検討できるケースもあります。骨再生治療や歯周治療などを行い、治療環境を整えることでリスクを下げ、より安全に治療を進めることが可能です。
重要なのは、正確な検査と丁寧な説明を受けたうえで、自分の状態に合った治療方針を立てることです。

  • 骨量が不足している場合は骨造成などで再生を図る
  • 全身疾患はコントロール下にあれば治療検討可能
  • 喫煙習慣の改善が成功率を高める

“できない”ではなく“慎重な判断”という医療の背景

インプラントを「できない」と言われたとき、多くの方が「もう噛めるようにはならないのでは」と不安を抱きます。しかし、その言葉の背景には、医師が患者様の安全を最優先に考えた“慎重な判断”が隠れています。

インプラントは外科的な処置を伴うため、全身状態や骨の条件が整っていない段階で無理に進めれば、感染・炎症・インプラント体の動揺などのリスクが高まります。そのため、多くの歯科医師は治療を急がず、骨造成・歯周治療・全身管理などの前処置を行い、成功のための準備期間を設けます。
つまり「難しい」と言われたのは“否定”ではなく、“安全性を担保するための時間を要する”という医療的判断なのです。焦らずに条件を整え、医師と段階的に計画を立てていくことが、結果的に長期的な安定と安心につながります。

その過程の一歩一歩が、再び「自分の歯で噛む」という日常を取り戻すための確かな道になります。

POINT: 「難しい」と言われる背景には、医院の診断設備・経験の差や、安全を優先する慎重な判断があります。焦らず準備を整えることが、長期的な成功への第一歩です。

 

3. CTで変わる診断精度──「再検査」が未来を開くカギになる




2Dレントゲンでは分からない、骨・神経・上顎洞の立体情報

インプラント治療の可否を判断するうえで、骨の厚みや高さ、神経・血管・上顎洞の位置を正確に把握することは欠かせません。2Dレントゲン(平面画像)は、骨の内部構造が重なって映るため、実際の形や密度を正確に捉えきれないことがあります。その結果、本当は十分な骨が残っているにもかかわらず、「骨が足りない」と診断されるケースも見られます。

一方、歯科用CTでは顎の骨を三次元的に可視化でき、骨の厚み・密度・神経の走行・上顎洞の形態などを立体的に確認できます。これにより、インプラントを埋め込む深さや角度を科学的に設計でき、咀嚼機能回復に向けたリスクの把握が可能になります。さらに、骨吸収の進行度や形状の左右差も確認でき、治療後の安定性を考慮した計画立案に役立ちます。

  • 2Dレントゲンでは骨の立体構造を正確に把握できない
  • CTでは骨密度・神経・上顎洞を三次元で確認可能
  • 治療後の安定性を見据えた計画立案に有効

CTで見える“新しい選択肢”とは?

CTによる再検査では、以前は難しいとされた部位にも、実は骨の幅や密度が十分に保たれていることが確認できる場合があります。骨の形状を立体的に捉えることで、従来「骨造成が必要」とされたケースでも、インプラントの埋入角度や長さを工夫することで、骨移植を行わずに治療できる可能性が見えてくることがあります。

また、短いインプラントや傾斜埋入といった手法を用いることで、身体的負担を抑えながら治療を進められる場合もあります。さらに、CTデータを基に手術計画をデジタル上で再現する「ガイドサージェリー」では、埋入位置・方向を事前にシミュレーションでき、実際の手術時の誤差を抑える工夫が可能です。診断精度の向上は、「もう噛めない」と感じていた方に新たな検討の余地をもたらします。

  • 骨の形態を立体的に把握することで治療選択肢が拡大
  • 短いインプラント・傾斜埋入で骨移植を回避できる場合も
  • ガイドサージェリーで手術精度を高められる

再検査こそ「再チャレンジのスタートライン」

過去に「インプラントは難しい」と言われた方でも、再検査によって治療の可能性が広がることがあります。骨の状態や全身の健康は時間とともに変化し、診断機器や治療技術も進歩しています。そのため、数年前の判断が現在の状態に当てはまらないことは珍しくありません。

CTを用いた再評価は、現在の骨量・骨質・全身状態を客観的に確認し、「本当に治療が難しいのか」を見直す機会になります。重要なのは、“再チャレンジ=無理に治療を進めること”ではなく、“今の自分の条件を正確に知ること”です。精密な診断と丁寧なカウンセリングを通して、自分に合った治療選択を検討できます。再検査は、もう一度しっかり噛める未来に向けた確かなスタートラインです。

POINT: CTによる再検査は、「難しい」とされた治療に再び希望を見出すための重要な手段です。最新の診断技術で現在の状態を見直すことが、再チャレンジへの第一歩になります。

 

4.「骨が足りない」と言われても大丈夫──再生治療で可能性を広げる



GBR・ソケットリフト・サイナスリフトとは?

インプラント治療では、歯を失った部位の骨量が不足していると「インプラントを支える土台が足りない」と診断されることがあります。 このような場合に有効なのが、骨再生治療(骨造成)です。 代表的な方法のひとつであるGBR(骨誘導再生法)は、骨が欠損した部分に人工膜と骨補填材を使用し、周囲の骨細胞が新たな骨を作る環境を整える技術です。 上顎の奥歯のように上顎洞(副鼻腔)が近い部位では、ソケットリフトやサイナスリフトという方法が採用されます。 ソケットリフトは歯ぐき側から上顎洞の底を少し持ち上げて骨を確保する方法で、比較的軽度な骨不足に対応します。 一方サイナスリフトは、骨が極端に薄い場合に側面からアプローチして骨補填材を入れる手術で、より大きな再生を目的とします。 これらはいずれも、以前は治療困難とされた症例に“噛める環境”を再構築するための重要な選択肢です。

  • GBR(骨誘導再生法):人工膜と骨補填材で骨の再生を促す
  • ソケットリフト:上顎洞の底を少し持ち上げて骨を確保
  • サイナスリフト:側面から骨補填材を入れる大きな再生法

骨を“つくる”技術で、インプラントを可能にする方法

骨再生治療では、人工骨や自家骨(ご自身の骨)を移植し、時間をかけて骨が新たに形成されるのを待ちます。 再生した骨は、インプラント体をしっかり支える土台となり、咀嚼機能の安定回復に直結します。 骨が成熟するまでには数か月を要することもありますが、これは確実に治療を進めるための大切なプロセスです。 特に、上顎の骨は下顎よりも柔らかく、しっかりした骨を得るためには丁寧な段階的治療が求められます。

インプラントは「十分な骨量と質がある部位に埋入する」という原則のもとで行われるため、骨造成を経ることで治療の適応範囲が大きく広がります。 過去に「骨が薄くて難しい」と言われた方も、再生治療の選択肢を持つ医院で再評価を受けることで、新たな可能性を見出せる場合があります。

  • 人工骨や自家骨を利用し、新たな骨を再生
  • 数か月かけて骨が成熟し、インプラントの安定性を高める
  • 骨造成により適応範囲が拡大し、再治療の可能性も広がる

すべての人に適応できるわけではない──“誠実な診断”の大切さ

骨造成は多くのケースで有効な方法ですが、すべての患者様に適応できるわけではありません。 糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患、喫煙や口腔衛生状態などは骨の再生速度や治癒経過に影響するため、慎重な判断が必要です。 また、手術後の感染予防やメンテナンスを怠ると、せっかく再生した骨が吸収してしまうリスクもあります。 そのため、CT画像診断・血液検査・全身状態の把握を含めた精密な評価が欠かせません。 骨の状態だけでなく、患者様の体調や生活習慣まで考慮し、無理なく継続できる治療計画を立てることが重要です。 誠実な診断と丁寧な説明を行う医院を選ぶことで、安心して治療に臨むことができ、“再び噛める未来”への現実的な一歩を踏み出すことができます。

POINT: 骨造成は「難しい」と言われた症例にも可能性を広げる治療法です。ただし、全身状態を含めた誠実な診断が不可欠。無理のない計画で安全に治療を進めることが、再び噛める未来への第一歩です。

 

5.年齢や持病があってもあきらめない──安全に治療するための考え方



「年齢」ではなく「全身状態」がポイント

インプラント治療において重要なのは、「年齢」そのものではなく「全身状態の安定」です。 たとえ高齢であっても、血圧・血糖値・心機能などが良好に保たれていれば、手術は十分に検討可能です。実際に70代や80代でも、全身管理を行いながら治療を受け、再びしっかり噛めるようになった方も多くいます。

むしろ、加齢による顎骨の吸収や咀嚼力の低下を放置することが、食事量の減少や栄養不足、全身の筋力低下を招く場合もあります。適切に噛めることは脳への刺激や消化機能にも関係しており、健康維持の基礎になります。

そのため、「年齢だから無理」と決めつけず、現在の体調・骨の状態・服薬・生活習慣を総合的に評価することが重要です。歯科医師と主治医が連携してリスクを把握し、無理のない治療計画を立てることが、“もう一度噛める未来”につながります。

  • 年齢よりも全身状態の安定が治療の可否を左右する
  • 咀嚼力の回復は栄養・筋力・脳の活性にも関与
  • 主治医と連携し、無理のない治療計画を立てることが重要

糖尿病・高血圧・骨粗鬆症でも治療可能な場合とは

糖尿病や高血圧、骨粗鬆症などの持病があっても、病状が安定していればインプラント治療を受けられるケースは少なくありません。 たとえば糖尿病の場合、血糖値のコントロールが良好であれば骨の治癒力も保たれ、感染リスクを抑えることができます。高血圧の方は、術中のストレスを軽減する工夫や、麻酔・鎮静の管理を丁寧に行うことで安全に進めることができます。

また、骨粗鬆症では薬剤(ビスフォスフォネートなど)の種類や服用期間が治癒に影響するため、医科との情報共有が不可欠です。こうした持病は「禁忌」ではなく、あくまで「管理が必要な条件」であるという認識が大切です。 正確な情報を主治医・歯科医双方に伝え、連携のもとで適切にリスクを評価することで、安心して治療に臨むことが可能になります。

  • 糖尿病・高血圧なども管理下であれば治療が可能
  • 骨粗鬆症は薬剤・服用期間の確認が重要
  • 医科との情報共有で安全性を確保

主治医との連携・術前検査・静脈内鎮静で安心を支える

持病がある方や手術に不安を感じる方にとって、医科と歯科の連携は欠かせません。 血液検査・心電図・服薬内容の確認などを行い、全身状態を正確に把握することが安全性を高めます。こうした術前検査によって、治療前からリスクを予測し、必要に応じて医師間で対策を立てます。

また、治療中の緊張や不安を軽減するために「静脈内鎮静法(セデーション)」を併用する場合もあります。これは点滴から鎮静薬を投与し、半分眠ったような状態で処置を受けられる方法で、恐怖心の強い方にも有効です。

何より大切なのは、患者様ご自身が体調や不安を率直に伝えることです。医師が一方的に判断するのではなく、患者様と一緒に最適な方法を話し合いながら進めることで、心身ともに安心して治療を受ける環境が整います。

POINT: 年齢や持病があっても、「全身状態の安定」と「医科歯科の連携」があれば安全な治療は可能です。焦らず相談し、無理のない計画を立てることが、再び噛める未来を実現する第一歩になります。

 

7.費用と期間の考え方──“無理なく通える”を第一に

インプラント治療の流れと期間

治療期間の目安と通院回数

期間の目安は数か月〜半年、通院は5〜7回前後が一般的です。お口の状態や骨の量・質により前後しますが、まず初診でカウンセリングと精密検査を行い、治療計画を立てます。 手術自体は1〜2回で完了することが多く、骨とインプラントが結合する「治癒期間」を数か月設けます。

治癒期間中は仮歯を装着し、日常生活への支障を抑えます。診査・手術・経過観察を含めた通院は5〜7回前後が目安ですが、症例により短縮・延長することがあります。焦らず歯科医師と相談しながら計画的に進めることが、長期的な安定につながります。

  • 治療期間:数か月〜半年(個人差あり)
  • 通院回数:およそ5〜7回
  • 治癒期間中は仮歯で生活可能

費用の構造(検査・手術・上部構造)をわかりやすく

治療費は大きく「検査・診断」「手術」、そして「上部構造(被せ物)」の3要素で構成されます。 内訳を理解すると見積もりの確認がしやすくなります。初期段階ではCT撮影や模型分析など、正確な診断のための検査が行われます。手術費には、人工歯根(インプラント体)の埋入と使用する材料費が含まれます。

  • 検査・診断費: CT撮影・模型分析など、正確な診断のための費用。
  • 手術費: インプラント体の埋入や使用材料を含む外科処置の費用。
  • 上部構造費: 見た目と噛み合わせを再現する被せ物(素材により価格差)。

上部構造とは、見た目や噛み合わせを再現するための被せ物で、セラミックやジルコニアなど素材によって価格が異なります。 これらの費用は症例数や使用素材により幅があり、「どこまで治療を希望するか」によっても変動します。事前に見積もりを提示してもらい、納得した上で治療を進めることが大切です。


分割払いや段階的治療という選択肢も

「無理なく通える」ために、費用計画や準備の進め方を現実的に考えましょう。 医院によっては分割払い段階的治療の相談が可能な場合があります(取り扱いの有無は事前にご確認ください)。

安全で確実な治療のためには準備が重要です。虫歯や歯周病がある場合は、インプラント手術の前に治療を完了させます。喫煙は骨の治癒を妨げるため、禁煙や減煙が推奨されます。糖尿病・高血圧などの全身疾患がある方は主治医と連携し、治療時期や内容を調整します。

  • 口腔の初期治療: 虫歯・歯周病のコントロール。
  • 生活面の準備: 手術当日前後の食事・通院計画の確認。
  • 全身管理: 主治医との連携(内科的疾患のある場合)。
  • 費用計画: 見積もりの事前確認、分割・段階実施の可否相談。

これらの準備をしっかり行うことで、術後の回復をスムーズにし、治療の安定性を高めることが期待できます。

POINT: 期間の目安と通院回数、費用の内訳(検査・手術・上部構造)を把握し、準備と生活計画を整えたうえで、分割や段階的治療の可否も含めて無理のない進め方を相談しましょう。

 

8.長く使うために大切なメンテナンス

インプラントメンテナンスイメージ

インプラントの寿命を左右する日常ケア

インプラントは、天然歯と同じように毎日のケアが欠かせません。歯ぐきの健康を守ることが、インプラントの長持ちにつながります。 特に重要なのがプラーク(細菌のかたまり)を残さないブラッシングです。 天然歯と異なり、インプラントの周囲には血管が少ないため、炎症が起きると進行が早く「インプラント周囲炎」に発展することがあります。

やわらかめの歯ブラシで歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨き、デンタルフロスや歯間ブラシを併用して汚れを落としましょう。

  • 歯ブラシ:やわらかめで小刻みに動かす
  • 補助清掃:フロス/歯間ブラシを毎日併用
  • 夜ケア:就寝前はとくに丁寧に

また、夜の歯磨きは特に重要です。就寝中は唾液が減り、細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前の丁寧な清掃が寿命を左右します。 正しいブラッシング方法を歯科衛生士から学び、日常ケアを習慣化することが何よりの予防です。


定期検診で確認するポイント

インプラントを長く使うためには、3〜6か月ごとの定期検診で状態を見直し、早期の変化に気づく仕組みを作っておきましょう。

検診では、歯ぐきの腫れや出血、ポケットの深さなどを確認し、炎症の早期発見につなげます。レントゲンで骨の吸収やインプラント体の固定状態を確認することも大切です。 さらに、人工歯(上部構造)や土台のゆるみ、噛み合わせの微調整も行います。小さなズレを放置すると力が偏り、周囲組織に負担がかかることがあります。

定期検診は「点検」だけではなく、清掃の見直しや生活リズムに合わせたケアの再提案まで含めたメンテナンスプロセスです。気になることは些細な段階で相談し、良い状態を保ちましょう。

  • 歯ぐき・骨・インプラント体の健康状態を確認
  • 噛み合わせや人工歯の緩みをチェック
  • 生活リズムに合わせたケアの見直し提案


トラブルを防ぐためにできること

インプラントのトラブルを防ぐためには、セルフケアとプロケアの両立が重要です。 まず、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースを使用することでインプラントへの過剰な力を防げます。 また、喫煙は血流を悪化させ、歯ぐきの治癒を妨げるため、できる限り控えることが望ましいでしょう。

定期的なプロフェッショナルクリーニングでは、専用の器具を使って自宅では落としきれないプラークやバイオフィルムを除去します。 これにより、インプラント周囲炎のリスクを大幅に低減できます。 さらに、噛み合わせや生活習慣の変化も定期的に確認し、異常があれば早めに歯科医へ相談することが大切です。 小さな違和感のうちに対処することで、長期的に快適な状態を維持できます。

  • マウスピース:力の集中を緩和
  • 禁煙・減煙:治癒と血流の面から有利
  • プロケア:バイオフィルムを定期除去

噛み合わせや生活習慣は時間とともに変化します。違和感を放置せず、早めの受診で調整することが、長期的な快適さにつながります。

POINT: 毎日の清掃・定期検診・生活習慣の見直しをバランスよく続けることが、インプラントを長く快適に使う近道です。無理のない方法で習慣化し、気づいた変化は早めに相談しましょう。

 

9.実際の治療例から見る“違い”と“満足度”

インプラント治療例の比較イメージ

治療前後で何が変わるのか(一般的な傾向として)

インプラント後に実感しやすい変化は、噛める感覚見た目の自然さです。 まず全体像をつかみ、そのうえで個別の条件に照らして検討しましょう。 入れ歯やブリッジでは、咀嚼力や発音の違和感を覚えることがありますが、インプラントは顎の骨に固定されるため、自分の歯に近い安定感が得られます。 人工歯(上部構造)にセラミックなどの審美素材を用いると、光の透過性や色調が天然歯に近づけやすく、見た目の自然さに満足される方が多い傾向があります。

治療後は「硬いものが食べやすくなった」「会話中に気を遣わなくなった」といった声が一般的で、機能面と心理面の両面で生活の質(QOL)の向上が期待できます。

  • 噛める感覚:しっかりとした安定感
  • 見た目:天然歯に近い自然な透明感
  • 会話の安心感:装着の違和感が少ない

入れ歯やブリッジから切り替えた方の声(体験談風の構成)

入れ歯を長年使用していた方の多くは、「外れやすさ」や「噛みにくさ」に不満を感じて来院されます。 インプラントへ切り替えた方からは、「しっかり噛めるようになり、食事が楽しめるようになった」「見た目が自然で、人と話す時に気にならなくなった」といった声が聞かれます。

ブリッジから移行した方は、「健康な歯を削らずに済んだ」「違和感が減った」と話すことが多く、自分の歯を守りながら快適に生活できる点に満足されています。 もちろん、全ての方に当てはまるわけではありませんが、これらの傾向は多くの臨床現場で共通して見られます。

  • 食事面:硬いものを含めて噛みやすいと感じる
  • 見た目:自然な色調で人前でも安心しやすい
  • 装着感:外れにくく、会話時の不安が軽減
  • 歯の保存:隣在歯を削らずに済むケースがある


「変えてよかった」と感じる理由を解説

インプラントに変えて満足度が高い理由の一つは、長期的な安定性と機能性です。 入れ歯のように定期的な作り直しが不要で、適切なケアを続ければ10年以上使用できる例もあります。 また、インプラントは噛む刺激が顎の骨に伝わるため、骨の吸収を抑え、顔貌の変化を防ぐ効果も期待できます。 さらに、隣の歯に負担をかけずに済む点も、ブリッジとの大きな違いです。

これらの要素が、「治療して良かった」「もっと早く知っていれば」という声につながっています。 インプラントは見た目の美しさだけでなく、口腔全体の健康を長く守る治療として、多くの患者様に支持されています。

  • 安定性:適切なメンテナンスで長期使用が見込める
  • 骨への配慮:咬合刺激が骨に伝わりやすい構造
  • 残存歯の保全:支台歯形成が不要
  • 総合的QOL:機能と見た目の両面から日常を支える
POINT: 具体的な実感としては「噛みやすさ」「見た目の自然さ」「装着時の安心感」などが挙がります。適応や進め方は個々で異なるため、診査結果にもとづく中立的な比較検討が大切です。

10.まずは相談から——あなたに合う治療法を一緒に考えましょう

カウンセリングイメージ

「無理に勧めない」姿勢を明示し安心感を強調

無理に勧めないことを前提に、まずは不安やご希望を伺い、安心して話せる場を整えます。 インプラント、入れ歯、ブリッジなど、歯を失った際の治療法には複数の選択肢があります。どの治療にも利点と注意点があり、「どれが正解」と一概に言えるものではありません。 そのため、初回のご相談では治療を無理に勧めることはありません。まずは患者様のご希望や不安を丁寧に伺い、現在の状態を正確に把握することから始めます。

「しっかり噛めるようにしたい」「見た目を自然にしたい」など、目的が違えば適した治療も変わります。歯科医師としての専門的な視点から、それぞれの治療法のメリット・デメリットをわかりやすくご説明し、納得のうえで次のステップへ進めるようサポートいたします。 患者様ご自身が安心して決められる環境を整えることが、私たちの基本姿勢です。

  • 治療を「勧める」のではなく、「一緒に考える」姿勢
  • 不安や疑問を自由に話せるカウンセリング環境
  • 複数の治療法を比較しながら納得できる選択を


現在の状態を知るためのカウンセリングのご案内

はじめに現在の状態を確認し、画像診断を含む客観的な評価で適応を見極めます。

カウンセリングでは、まず口腔内の状態を確認し、失った歯の位置や本数、骨の量、歯ぐきの健康状態を総合的に診断します。 インプラントが適しているかどうか、あるいは入れ歯やブリッジの方が望ましい場合も含め、複数の治療法を比較検討できるように説明します。

CTやレントゲンを用いた精密な検査を行うことで、骨の厚みや神経・血管の位置を把握し、安全性を考慮した治療計画をご提案します。 こうした診断プロセスは、治療を始める前の不安を軽減し、「自分の口に本当に合うのはどの治療か」を理解するうえで非常に重要です。 無理のないペースで話し合いながら、納得できる選択を一緒に探していきましょう。

  • CT・レントゲンによる立体的診断
  • 複数の治療法を比較・検討
  • 現状把握から始める安心のカウンセリング


自分にとって最適な方法を知ることから始めよう

費用や期間だけでなく、生活との相性や将来のケアも含めて総合的に判断します。

治療法の選択は、「費用」や「期間」だけで決めるものではありません。日常の食事内容やお手入れのしやすさ、将来的なメンテナンスのしやすさまで考慮する必要があります。 たとえば、インプラントは天然歯に近い噛み心地が得られますが、骨の状態によっては難しいケースもあります。 一方で、入れ歯やブリッジには手術を伴わないという利点があります。

私たちは、こうしたそれぞれの特徴をわかりやすくお伝えし、「自分にとって最適な選択肢」を一緒に考えるお手伝いをします。 大切なのは、治療を「受けるかどうか」ではなく、「どんな未来を望むか」。まずは一度、現在の状態を知ることから始めてみませんか。

  • 費用・期間だけでなくライフスタイルも考慮
  • 手術の有無や将来的なケアまで比較検討
  • 自分に合う選択を一緒に見つけるカウンセリング
POINT: インプラント・入れ歯・ブリッジなど、すべての選択肢を公平に説明し、納得のうえで進めることが大切です。まずは「相談」から始め、安心して話せる環境で自分に合った治療法を一緒に考えましょう。


監修:大杉歯科医院
所在地〒:三重県津市河芸町東千里175-2
電話番号☎:059-245-5358

*監修者
大杉歯科医院 院長 大杉 和輝

*出身大学
愛知学院大学
*経歴
・2015年4月:医療法人社団石川歯科 勤務
・2021年12月:医療法人大杉歯科医院 院長就任

*所属
5D-Japan
OJ(Osseointegration study club of Japan)会員
日本臨床歯周病学会会員
日本口腔インプラント学会会員
日本顕微鏡学会会員
静岡県口腔インプラント研究会会員
SPIS(Shizuoka Perio implant Study)会員

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インプラント治療に
精通した歯科医師による

「無料カウンセリングのご案内」

大杉歯科医院では、歯を失った方を対象に、無料のインプラントカウンセリングを実施しています。
「歯がない状態をそのままにしている」「他院で治療を断られた」など、どんなお悩みにも真摯に向き合い、今後の選択肢をご提示いたします。

ご相談を担当するのは、インプラント症例の豊富な歯科医師です。歯科用CTをはじめとした精密な検査結果をもとに、患者さま一人ひとりに適した治療プランをご提案します。
お口の健康は時間とともに変化します。まずは現状を把握することから始めてみませんか?
無理な勧誘などは一切行いませんので、安心してご予約ください。

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