Column コラム

2026/08/19 column

「歯周病でもインプラントはできる?治療前に確認したいリスクと準備

1. 歯周病でもインプラント治療はできる?

歯周病があってもインプラントを検討できるケース

歯周病があるからといって、必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。重要なのは、歯周病の進行度や歯ぐきの炎症、顎の骨の状態などを詳しく調べ、口腔内の環境を整えたうえで治療の適応を判断することです。

軽度から中等度の歯周病であれば、歯石やプラーク(細菌のかたまり)を除去する歯周基本治療などを行い、炎症が落ち着いた段階でインプラントを検討できる場合があります。一方、歯周病によって顎の骨が大きく失われている場合には、インプラントを支える骨の量や質について慎重な評価が必要です。必要に応じて骨造成などが選択肢となることもあります。

歯周病とインプラントの関係は一人ひとり異なるため、まずは歯周組織検査やレントゲン・CT検査などを行い、現在の状態を把握することが大切です。

 

歯周病を治療せずにインプラントを行うリスク

歯周病による炎症が十分にコントロールされていない状態でインプラント治療を進めることは、治療後のトラブルにつながる可能性があります。歯周病は細菌による感染と、それに対する体の反応によって歯を支える組織が破壊される病気です。

お口の中に歯周病の原因となる細菌が多い状態が続いていると、インプラントの周囲にも炎症が生じる「インプラント周囲炎」のリスク因子となります。インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が失われ、状態によってはインプラントの維持が難しくなることもあります。

そのため、インプラント手術だけを急ぐのではなく、事前に歯周病の状態を評価し、必要な治療やセルフケアの改善を行うことが重要です。治療後も定期的なメンテナンスを続け、歯周病とインプラントの両方を管理していく必要があります。

 

「歯周病だからできない」と自己判断しないことが大切

「歯周病があるからインプラントは無理だろう」と、ご自身だけで治療を諦める必要はありません。インプラントが適応となるかどうかは、歯周病の有無だけではなく、歯周病の進行度、顎の骨の高さや厚み、残っている歯の状態、噛み合わせ、喫煙習慣、糖尿病などの全身状態を含めて総合的に判断します。

歯周病があっても、適切な治療によって炎症をコントロールし、口腔内の状態が安定すれば、インプラントを選択肢として検討できるケースがあります。一方で、歯周病の状態や全身的なリスクによっては、入れ歯ブリッジなど別の方法が適している場合もあります。

大切なのは「インプラントができる・できない」を最初から決めるのではなく、検査によって現在の状態を把握することです。歯周病とインプラントのリスクを理解したうえで、複数の治療方法を比較しながら検討するとよいでしょう。

 

POINT:
歯周病がある場合でも、状態によってはインプラント治療を検討できることがあります。大切なのは、歯周病の進行度や顎の骨の状態、全身状態などを詳しく確認し、必要な歯周病治療を行ったうえで適応を判断することです。

 

2. そもそも歯周病とは?インプラントとの関係を理解しよう

歯周病は歯を支える組織に炎症が起こる病気

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(歯垢)に含まれる細菌などが関与し、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。初期の歯肉炎では、歯ぐきの腫れや歯磨き時の出血などがみられますが、進行すると歯を支える歯槽骨まで影響が及ぶ歯周炎へと進むことがあります。

歯周病は初期段階では痛みなどの自覚症状が乏しいこともあり、気付かないうちに進行しているケースもあります。インプラント治療を検討する際には、失った歯の部分だけでなく、残っている天然歯を含めた口腔内全体の歯周病の状態を確認することが重要です。

炎症が認められる場合には、必要に応じて歯周病治療を行い、口腔環境を整えてからインプラント治療を検討します。

歯周病が進行すると顎の骨が減少する理由

歯周病が進行すると、細菌に対する体の炎症反応などによって、歯を支えている歯槽骨が徐々に吸収されることがあります。歯槽骨が減少すると歯を支える力が弱くなり、歯のぐらつきや噛みにくさが現れ、重度になると歯を失う原因になることもあります。

インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その骨によって支える治療であるため、骨の高さや幅、形態は治療計画を考えるうえで重要な判断材料です。歯周病によって骨が減っている場合でも、直ちにインプラントができないと決まるわけではありません。

残っている骨の状態をCTなどで詳しく確認し、必要に応じて歯周病の治療や骨造成などを検討しながら、治療の適応を慎重に判断することが大切です。

天然歯の歯周病とインプラント周囲炎の違い

天然歯の周囲に起こる代表的な炎症性疾患が歯周病であるのに対し、インプラントの周囲組織に炎症が生じる病気には「インプラント周囲粘膜炎」「インプラント周囲炎」があります。

インプラント周囲粘膜炎は主にインプラント周囲の粘膜に炎症がみられる状態で、インプラント周囲炎では炎症に加えて、インプラントを支える骨の進行性の減少が認められます。インプラントは虫歯にはなりませんが、治療後の清掃状態が不十分な場合などには周囲組織に炎症が起こる可能性があります。

特に歯周炎の既往がある方では、インプラント周囲炎のリスク因子の一つとして考慮する必要があります。そのため、治療前の歯周病管理だけでなく、治療後もセルフケアと定期的なメンテナンスを継続することが重要です。

POINT:
歯周病は歯ぐきだけでなく、進行すると歯を支える歯槽骨にも影響する病気です。インプラント治療を検討する際には、骨の状態だけでなく歯周病の有無も確認し、必要に応じて治療前に口腔環境を整えることが重要です。また、治療後はインプラント周囲炎を予防するための継続的なメンテナンスも欠かせません。

 

3. 歯周病の方がインプラント治療で注意したいリスク

インプラント周囲炎のリスク

歯周病の既往がある方がインプラント治療を受ける場合、特に注意したいのが「インプラント周囲炎」です。これは、インプラントの周囲に細菌性の炎症が生じ、進行するとインプラントを支える顎の骨が失われていく病気です。

歯周病にかかった経験がある方は、そうでない方と比べてインプラント周囲炎のリスクが高いことが知られています。そのため、歯周病が残った状態でインプラント治療を急ぐのではなく、まず炎症をできる限りコントロールし、お口の中を清潔に保ちやすい状態へ整えることが重要です。

また、インプラント周囲炎は初期には痛みなどの自覚症状が乏しいこともあります。治療後も歯磨きなどのセルフケアに加え、歯科医院で定期的に歯ぐきや骨の状態を確認し、炎症の早期発見・対応につなげることが大切です。

 

骨が少なくインプラントを支えにくい場合がある

歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨と呼ばれる顎の骨が徐々に失われることがあります。インプラントは顎の骨に埋め込み、骨と結合することで人工歯を支える治療のため、骨の高さや幅が不足していると、そのままでは適切な位置にインプラントを埋入することが難しい場合があります。

ただし、「歯周病で骨が減っている=インプラントができない」と一律に判断されるわけではありません。歯科用CTなどで骨の量や形態、神経・上顎洞など周囲組織との位置関係を確認し、治療の適応を判断します。

骨の状態によっては、GBR(骨再生誘導法)などの骨造成が選択肢となることもあります。まずは歯周病の進行度と骨の状態を詳しく調べ、無理のない治療計画を検討することが重要です。

 

残っている天然歯の歯周病が治療後にも影響する可能性

インプラントを入れる部分だけ状態が良ければよいわけではなく、残っている天然歯の歯周病にも注意が必要です。歯周病は主に細菌による感染と、それに対する体の炎症反応によって進行します。

天然歯の周囲に歯周病による炎症が残っている場合、お口全体の細菌環境が十分に整っておらず、インプラント周囲の炎症リスクにも関係する可能性があります。そのため、インプラント治療では欠損部分だけを見るのではなく、お口全体の状態を評価することが大切です。

残っている歯の歯周ポケットや出血、プラークの付着、骨の状態などを確認し、必要な歯周病治療を行ったうえでインプラント治療を検討します。治療後も天然歯とインプラントの両方を継続的に管理することが、長期的な安定につながります。

 

POINT:
歯周病の方がインプラント治療を検討する際は、インプラント周囲炎顎の骨の不足に注意が必要です。インプラントを入れる部分だけでなく、残っている天然歯を含めたお口全体の状態を確認し、必要な歯周病治療や継続的なメンテナンスを行うことが大切です。

 

4. インプラント前に歯周病治療が重要な理由

歯ぐきの炎症をコントロールしてから治療を進める

歯周病がある方のインプラント治療では、まず歯ぐきの炎症をできるだけ安定させてから治療を進めることが重要です。歯周病は、細菌を含むプラークが原因となって歯ぐきに炎症が起こり、進行すると歯を支える顎の骨まで失われる病気です。

炎症が十分に管理されていない状態では、インプラント治療後も口腔内の細菌による影響を受けやすく、インプラント周囲の組織に炎症が起こるリスクにも注意が必要です。そのため、歯周病が認められる場合は、歯周組織検査などで状態を把握し、必要な歯周病治療を行ったうえでインプラントの適応を判断します。

「歯周病があるからインプラントはできない」と一律に決まるわけではありませんが、治療前に炎症をコントロールし、その状態を維持できる環境を整えることが長期的な安定を考えるうえで大切です。

 

プラークや歯石を除去して口腔環境を整える

インプラント治療前の歯周病管理では、プラークや歯石を減らし、清掃しやすい口腔環境を整えることが基本となります。プラークは細菌のかたまりであり、歯と歯ぐきの境目などに蓄積すると炎症の原因になります。

プラークが石灰化して歯石になると歯磨きだけでは除去できないため、歯科医院で専門的な処置が必要です。歯周病治療では、歯磨き方法の確認や改善に加え、歯石やプラークを取り除くスケーリング・ルートプレーニングなどが状態に応じて行われます。

インプラントそのものは虫歯にはなりませんが、周囲の組織には炎症が起こる可能性があります。そのため、手術前だけ口腔内をきれいにするのではなく、治療後も適切なセルフケアを継続できる状態をつくることが重要です。

 

歯周病の進行度によって必要な治療が異なる

歯周病があるからといって、すべての方に同じ治療が必要になるわけではありません。歯ぐきに限局した炎症なのか、歯を支える骨まで影響が及んでいるのかによって、必要な治療内容やインプラント治療を開始できる時期は異なります。

診査では、歯周ポケットの深さや出血の有無、歯の動揺、レントゲンなどによる骨の状態を確認し、歯周病の進行度を評価します。比較的軽度であれば、セルフケアの改善や歯石除去などを中心に管理することがありますが、進行している場合には、より専門的な歯周治療が必要になることもあります。

また、骨の吸収が大きい場合には、インプラントを支える骨量についても詳しい診断が必要です。治療を急ぐのではなく、歯周病の状態を把握し、お口全体を安定させたうえでインプラント治療を検討することが大切です。

 

POINT:
インプラント治療を検討する際は、先に歯周病の進行度や歯ぐきの炎症を確認し、必要な治療を行って口腔環境を整えることが重要です。手術前だけでなく、治療後もセルフケアと定期的な管理を継続できる状態を目指します。

 

5. 歯周病で骨が減っていてもインプラントはできる?

インプラントに必要な骨の高さ・幅を確認する

歯周病によって顎の骨が減っている場合でも、骨の状態によってはインプラント治療を検討できることがあります。インプラントは顎の骨に埋め込んで支える治療のため、埋入する位置に十分な骨の高さや幅があるかを確認することが重要です。歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が吸収され、インプラントを安定して埋入するための骨が不足している場合があります。

そのため治療前には、レントゲンや歯科用CTなどを用いて、骨の高さ・幅・形態に加え、神経や上顎洞など周囲組織との位置関係を確認します。また、骨の量だけでなく、歯周病による炎症が落ち着いているか、残っている歯の状態や噛み合わせに問題がないかも重要な判断材料です。「骨が減っている=インプラントができない」と一律に判断するのではなく、口腔内全体を診査したうえで適応を検討します。

 

骨造成(GBRなど)が検討されるケース

インプラントを埋入したい部分の骨の幅や高さが不足している場合には、骨造成が治療の選択肢になることがあります。骨造成とは、インプラントを支えるために必要な骨量を確保することを目的とした処置で、代表的な方法の一つにGBR(骨誘導再生法)があります。GBRでは、骨を増やしたい部分に骨補填材などを用い、必要に応じて膜で覆うことで骨が再生するための環境を整えます。

ただし、必要となる方法は骨が不足している場所や程度によって異なります。上顎の奥歯では、上顎洞という空洞との位置関係によって、サイナスリフトなど別の骨造成が検討される場合もあります。また、歯周病による炎症が残っている状態では、まず歯周病の治療を優先することが一般的です。CT検査などで骨の状態を詳しく確認し、骨造成の必要性や治療期間、身体的な負担なども含めて治療計画を検討することが大切です。

 

骨造成を行えば必ずインプラントができるわけではない

骨が不足している場合に骨造成を行うことで、インプラント治療を検討できる可能性は広がります。しかし、骨造成をすればすべての方がインプラント治療を受けられるわけではありません。インプラントの適応は骨量だけではなく、歯周病の進行状況、歯ぐきの状態、噛み合わせ、喫煙習慣、全身の健康状態など、複数の要素を踏まえて総合的に判断する必要があります。

特に歯周病が十分にコントロールされていない場合には、インプラント治療後も周囲組織に炎症が起こるリスクを考慮しなければなりません。また、骨造成そのものにも治癒期間が必要であり、骨の再生状況によっては予定していた治療計画を変更する場合があります。大切なのは、インプラントを行うこと自体を目的にするのではなく、治療後まで安定して管理できる状態を目指すことです。骨が少ないと診断された場合は、他の治療方法も含めて選択肢を確認するとよいでしょう。

 

POINT:
歯周病によって顎の骨が減っていても、骨の状態によってはインプラント治療を検討できる場合があります。必要に応じてGBRやサイナスリフトなどの骨造成が選択肢になりますが、骨量だけでなく歯周病の状態や噛み合わせ、全身状態などを含めて総合的に適応を判断することが重要です。

 

6. 歯周病の方がインプラント治療前に確認したいこと

歯周ポケット・出血・骨吸収など歯周病の状態

歯周病がある方がインプラント治療を検討する際は、まず歯周病がどの程度進行しているかを確認することが重要です。診察では、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットの深さ、検査時の出血、歯の動揺などを調べ、レントゲン検査などで歯を支える骨の状態も確認します。

歯周病が進行していると顎の骨が減少し、インプラントを埋入するために必要な骨量が不足している場合があります。また、歯ぐきに炎症が残った状態では、治療後のインプラント周囲組織にも影響する可能性があります。そのため、歯周病が認められる場合は、必要に応じて歯周基本治療などを行い、炎症や口腔内の衛生状態を整えてからインプラント治療へ進むことが一般的です。

治療の可否を骨量だけで判断するのではなく、歯ぐきの炎症や残っている歯の状態なども含め、歯周組織全体を評価することが大切です。

 

喫煙・糖尿病など治療結果に影響し得るリスク因子

インプラント治療では、お口の状態だけでなく、喫煙習慣糖尿病などの全身的なリスク因子についても確認する必要があります。喫煙は歯ぐきの血流や傷の治癒に影響し、インプラント周囲の組織にも悪影響を及ぼす可能性があるため、歯周病のある方では特に注意が必要です。

また、糖尿病は血糖コントロールが不十分な場合、感染や創傷治癒に影響することがあります。ただし、糖尿病があることだけを理由に、直ちにインプラント治療ができないと判断されるわけではありません。血糖値や治療状況、服用している薬、全身状態などを確認し、必要に応じて主治医と連携しながら適応を検討します。

歯周病とインプラントのリスクをできるだけ適切に評価するためにも、持病や服薬、喫煙習慣について事前に正確に伝えることが重要です。

 

セルフケアと定期通院を継続できるか

インプラントを長期的に維持するためには、手術そのものだけでなく、治療後のセルフケア定期的なメンテナンスを継続できるかという視点も欠かせません。特に歯周病の既往がある方は、治療後も歯周病やインプラント周囲炎に注意しながら、お口全体を管理していく必要があります。

毎日の歯磨きに加え、歯間ブラシなどを適切に使用し、インプラント周囲や残っている天然歯にプラークをためにくい環境を保つことが大切です。さらに、歯科医院で歯ぐきの炎症、清掃状態、噛み合わせ、インプラント周囲の状態などを定期的に確認することで、自覚しにくい変化を把握しやすくなります。

インプラント治療は人工歯を入れて終了するものではありません。治療前からメンテナンスの必要性を理解し、無理なく継続できる管理方法について歯科医師や歯科衛生士と相談しておくことが重要です。

 

POINT:
歯周病がある方のインプラント治療では、骨量だけでなく、歯ぐきの炎症や歯周病の進行度、喫煙・糖尿病などのリスク因子も含めた評価が重要です。治療後のセルフケアや定期的なメンテナンスまで見据えて、治療計画を検討することが大切です。

 

7. 歯周病の方のインプラント治療はどのように進む?

カウンセリング・歯周組織検査・CT検査による診断

歯周病がある方のインプラント治療では、まず現在の歯周病の進行度と、インプラントを支える顎の骨の状態を詳しく確認します。カウンセリングでは、これまでの歯科治療歴に加え、喫煙習慣や糖尿病などの全身状態、服用中の薬についても確認し、治療に影響する要因を整理します。

歯周組織検査では、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯の動揺などを調べます。さらにレントゲンや歯科用CTを用いることで、歯周病による骨吸収の程度や顎の骨の高さ・厚み、神経や上顎洞などの位置を立体的に把握できます。インプラントの適応は骨の量だけでなく、歯周病や全身状態も含めて総合的に評価することが重要です。

こうした情報をもとに、歯周病の治療をどこまで進める必要があるか、インプラント治療が適応となるか、骨造成などの追加処置が必要かを検討します。

 

歯周病治療からインプラント手術までの流れ

歯周病が進行している場合は、一般的にインプラント手術を急ぐのではなく、まず歯周病治療によって口腔内の炎症をコントロールすることが重要です。歯磨き方法の見直しや専門的なクリーニング、歯石の除去などを行い、必要に応じて歯周病に対する治療を進めます。

歯周病治療後は、歯ぐきの出血や腫れ、歯周ポケットなどを再評価し、状態が安定しているかを確認したうえで次の段階へ進みます。抜歯が必要な歯がある場合や顎の骨が不足している場合には、抜歯後の治癒期間を設けたり、骨造成を検討したりすることもあります。

インプラント手術へ進むタイミングは、歯周病の程度や骨の状態によって異なります。治療期間の短さだけを優先せず、感染や炎症のリスクをできるだけ抑えた状態で手術を行えるよう、段階的に治療を進めることが大切です。

 

インプラント治療後のメンテナンスまで含めて考える

歯周病のある方がインプラント治療を検討する際は、手術や被せ物の装着までではなく、治療後のメンテナンスまで含めて治療計画を考えることが重要です。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲に細菌性の炎症が起こり、進行するとインプラントを支える骨が失われる「インプラント周囲炎」が生じることがあります。

特に歯周病の既往がある方では、治療が完了した後も、口腔内の炎症を継続的に管理していくことが大切です。定期メンテナンスでは、歯ぐきの出血や腫れ、清掃状態、歯周ポケット、噛み合わせなどを確認し、必要に応じて専門的なクリーニングを行います。

毎日の歯磨きや歯間清掃と歯科医院での定期管理を組み合わせ、天然歯を含めたお口全体の健康を維持していくことが、インプラントを長期的に安定して使用するための重要なポイントです。

 

POINT:
歯周病の方のインプラント治療では、まず歯周病や顎の骨の状態を詳しく診査し、口腔内の炎症をコントロールしたうえで治療を進めることが重要です。さらに、治療後もインプラント周囲炎を予防するため、セルフケアと定期的なメンテナンスを継続していく必要があります。

 

8. 歯周病の再発とインプラント周囲炎を防ぐために

インプラント治療後も歯周病管理が必要な理由

インプラント治療が終わった後も、歯周病の管理を継続することが重要です。インプラントそのものは虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきや骨には炎症が起こる可能性があります。特に、インプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、さらに進行してインプラントを支える骨にまで影響が及んだ状態を「インプラント周囲炎」と呼びます。歯周病の既往がある方では、治療後も口腔内の衛生状態に注意が必要です。

また、お口の中に天然歯が残っている場合、その歯に歯周病が再発する可能性もあります。歯周病とインプラント周囲炎は異なる病気ですが、いずれも細菌を含むプラークが重要な原因となります。そのため、インプラントを入れたことで歯周病への対策が不要になるわけではありません。治療後も残っている歯とインプラントの両方を管理し、お口全体の健康を維持していくことが、長期的な安定につながります。

 

自宅で行うセルフケアのポイント

インプラント周囲炎や歯周病の再発を防ぐためには、毎日のセルフケアでプラークをできるだけ残さないことが基本です。特に注意したいのが、インプラントの人工歯と歯ぐきの境目や、隣の歯との間です。歯ブラシだけでは汚れを十分に落としにくい部分もあるため、歯間ブラシやデンタルフロスなどを組み合わせることが大切です。お口の状態に合った方法で丁寧に清掃しましょう。

ただし、インプラントの形や人工歯の構造は患者さんによって異なるため、適切な清掃方法も一律ではありません。自己流で強く磨きすぎるのではなく、歯科医院でブラッシング方法補助清掃用具の選び方について確認するとよいでしょう。また、歯ぐきから出血する、腫れている、磨いたときに違和感があるといった変化が続く場合は注意が必要です。セルフケアを続けながら小さな変化にも目を向け、気になる症状があれば早めに歯科医院へ相談することが重要です。

 

定期メンテナンスで確認する歯ぐき・骨・噛み合わせ

インプラント治療後の定期メンテナンスでは、汚れを除去するだけでなく、インプラントと周囲組織の状態を継続的に確認します。歯ぐきの腫れや出血、清掃状態などを確認し、必要に応じて画像検査などを用いてインプラントを支える骨の状態を評価します。インプラント周囲の炎症は初期には自覚症状が乏しい場合もあるため、症状がなくても定期的に状態を確認することが大切です。

さらに、噛み合わせの確認も重要なポイントです。インプラントには天然歯にある歯根膜がないため、噛む力の変化に注意しながら管理する必要があります。歯ぎしりや食いしばり、周囲の天然歯の変化などによって、治療時とは力のかかり方が変わることもあります。定期メンテナンスで歯ぐき・骨・噛み合わせを総合的に確認し、必要に応じて早い段階で対応することが、インプラントを安定した状態で使用していくために重要です。

 

POINT:
インプラント治療後も、歯周病の再発やインプラント周囲炎を防ぐための継続的な管理が欠かせません。毎日のセルフケアに加え、定期メンテナンスで歯ぐき・骨・噛み合わせを確認し、小さな変化を早めに把握することが長期的な安定につながります。

 

9. 大杉歯科医院が歯周病のある方のインプラント治療で大切にしていること

歯周病の状態を含めた総合的な診査・診断

歯周病のある方がインプラント治療を検討する場合、インプラントを埋入する部分だけでなく、お口全体の状態を確認することが重要です。大杉歯科医院では、歯ぐきの炎症や歯周ポケット、顎の骨の状態、残っている天然歯、噛み合わせなどを総合的に診査し、治療計画を検討しています。

歯周病が進行している状態でインプラント治療を進めると、治療後のインプラント周囲組織にも影響する可能性があります。そのため、必要に応じて歯周病治療を先に行い、口腔環境を整えることが大切です。また、喫煙習慣や全身の健康状態なども確認し、治療に伴うリスクを整理します。

インプラントだけを目的にするのではなく、残っている天然歯も含めたお口全体の健康を考えることが重要です。治療前の診査・診断を丁寧に行い、長期的に維持できる治療方針を考えることを重視しています。

 

CT・マイクロスコープを活用した精密な診断

歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨が吸収されることがあり、インプラント治療では骨の状態を詳しく把握する必要があります。大杉歯科医院では、歯科用CTを活用し、顎の骨の高さや厚み、周囲の重要な組織との位置関係などを立体的に確認しながら治療計画を検討しています。

通常のレントゲン写真だけでは把握しにくい骨の状態を確認することで、インプラントの適応や埋入位置、骨造成の必要性などを判断するための情報が得られます。また、必要に応じてマイクロスコープを活用し、肉眼では確認しにくい部分を拡大して観察します。

検査機器だけで治療の可否が決まるわけではありません。CTやマイクロスコープから得られた情報と口腔内の診査結果を組み合わせ、より詳細な診断につなげることを大切にしています。

 

インプラント治療後まで見据えた継続的なメンテナンス

歯周病のある方のインプラント治療では、手術や被せ物の装着が終われば治療管理も終了するわけではありません。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきや骨に炎症が広がる「インプラント周囲炎」が生じることがあります。

特に歯周病の既往がある方では、治療後も口腔内の炎症を継続的に管理することが重要です。大杉歯科医院では、インプラント治療後も定期的なメンテナンスを行い、歯ぐきの状態や清掃状況、噛み合わせ、インプラント周囲の変化などを確認します。

また、毎日のセルフケアについても、お口の状態に合わせた方法を確認していくことが大切です。治療前から治療後まで継続して管理し、小さな変化を早期に確認できる環境を整えることで、インプラントと残っている天然歯の長期的な維持を目指します。

 

POINT:
歯周病のある方のインプラント治療では、インプラントを入れる部分だけでなく、歯周病の状態・顎の骨・残っている天然歯・噛み合わせ・全身状態まで含めた診査が重要です。大杉歯科医院では、CTなどを活用した診断と治療後の継続的なメンテナンスを通じて、お口全体を長期的に維持することを重視しています。

 

10. 歯周病とインプラントに関するよくある質問(FAQ)

歯周病でもインプラントはできますか?

歯周病があるからといって、必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。ただし、歯ぐきに強い炎症が残っている場合は、先に歯周病の治療を行い、口腔内の状態を整えることが重要です。

歯周病の進行度や顎の骨の量、残っている歯の状態などを検査したうえで、インプラントの適応を総合的に判断します。歯周病を指摘されたことがある方は、まず現在の状態を詳しく調べてもらいましょう。

 

歯周病を治さずにインプラントをするとどうなりますか?

歯周病による炎症が十分にコントロールされていない状態でインプラント治療を行うと、治療後のインプラント周囲組織にも炎症が生じるリスクが高まる可能性があります。

歯周病の原因となる細菌は、残っている天然歯だけでなくインプラント周囲にも影響します。そのため、必要な歯周病治療を行い、日常のセルフケアができる状態を整えてからインプラント治療を検討することが大切です。

 

歯周病で骨が少なくてもインプラントはできますか?

歯周病によって顎の骨が減っている場合でも、インプラント治療を検討できることがあります。重要なのは、骨が「少ない」というだけで判断せず、骨の高さや幅、位置などを詳しく確認することです。

状態によっては、骨を補う骨造成が治療の選択肢になる場合もあります。ただし、すべてのケースで骨造成やインプラントが可能とは限りません。歯科用CTなどを用いて骨の状態を確認し、適応を判断します。

 

インプラント周囲炎とは何ですか?

インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に炎症が起こり、進行するとインプラントを支える骨の減少を伴う病気です。初期には痛みなどの自覚症状が乏しいこともあり、歯ぐきからの出血や腫れなどがみられる場合があります。

進行すると治療が複雑になることもあるため、日頃のセルフケアに加え、定期的にインプラント周囲の状態を確認してもらうことが重要です。

 

歯周病の人はインプラント周囲炎になりやすいですか?

歯周病の既往がある方は、インプラント周囲炎のリスクが高くなることが知られています。ただし、歯周病の経験があるからといって、必ずインプラント周囲炎になるわけではありません。

治療前に歯周病を適切に管理し、治療後もセルフケアと定期的なメンテナンスを続けることが重要です。歯周病の治療歴がある場合は、そのことを事前に歯科医師へ伝えておきましょう。

 

インプラント前の歯周病治療にはどのくらい期間がかかりますか?

歯周病治療に必要な期間は、炎症の程度や歯周ポケットの深さ、骨の状態などによって異なります。比較的軽度であれば、歯磨き方法の改善や歯石除去などを中心に進めますが、進行した歯周病では複数回の治療や再評価が必要になることがあります。

大切なのは期間を短くすることではなく、炎症が適切にコントロールされているかを確認することです。検査結果をもとに治療計画とおおよその期間を確認しましょう。

 

インプラント後も歯周病になることはありますか?

インプラントそのものが歯周病になるわけではありませんが、天然歯には歯周病、インプラントの周囲にはインプラント周囲粘膜炎インプラント周囲炎が生じる可能性があります。

インプラントは虫歯にはならないものの、周囲の歯ぐきや骨の健康を維持する必要があります。治療後も歯磨きなどのセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを継続することが大切です。

 

喫煙していてもインプラント治療はできますか?

喫煙している方でもインプラント治療が検討される場合はありますが、喫煙は治療上のリスク因子の一つです。喫煙は歯周組織の健康や傷の治癒に影響し、インプラント周囲炎などのリスクにも関係するとされています。

そのため、治療前には喫煙状況を歯科医師へ伝え、禁煙について相談することが重要です。歯周病がある方は特に、喫煙を含めたリスク管理について確認しておきましょう。

 

歯周病で他院からインプラントは難しいと言われた場合も相談できますか?

他院でインプラント治療が難しいと説明された場合でも、セカンドオピニオンとして別の歯科医院へ相談することは可能です。インプラントの適応は、歯周病の進行度だけでなく、顎の骨の状態や残存歯、噛み合わせ、全身状態など複数の要素から判断されます。

ただし、別の医院であれば必ず治療できるという意味ではありません。難しいとされた理由を理解し、インプラント以外も含めて選択肢を整理するために相談することが大切です。

 

歯周病がある場合、まず何から相談すればよいですか?

まずは「歯周病がどの程度進んでいるのか」と「インプラントを検討できる状態なのか」を確認することから始めましょう。歯ぐきの炎症や歯周ポケット、顎の骨、残っている歯、噛み合わせなどを診査し、必要に応じて歯周病治療を先に進めます。

インプラントだけに選択肢を限定せず、ブリッジや入れ歯なども含めて比較することも大切です。歯周病があるからと自己判断で諦めず、まずは歯科医院で現在の状態を相談してみましょう。



「本当に納得できる」インプラント治療を

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審美インプラント治療専門外来


監修:大杉歯科医院
所在地〒:三重県津市河芸町東千里175-2
電話番号☎:059-245-5358

*監修者
大杉歯科医院 院長 大杉 和輝

*出身大学
愛知学院大学
*経歴
・2015年4月:医療法人社団石川歯科 勤務
・2021年12月:医療法人大杉歯科医院 院長就任

*所属
5D-Japan
OJ(Osseointegration study club of Japan)会員
日本臨床歯周病学会会員
日本口腔インプラント学会会員
日本顕微鏡学会会員
静岡県口腔インプラント研究会会員
SPIS(Shizuoka Perio implant Study)会員

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インプラント治療に
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